投稿

8月, 2023の投稿を表示しています

youtubeでは話せない【知らなきゃヤバい襖】段ボール製と発泡スチロール系の話

イメージ
 段ボール、発砲スチロールの存在を知っているのは当然。ウチの会社では以前から賃貸の原状回復工事が半分、個人の自宅の工事が半分で、新築はほとんど扱っていない。 ある春の頃、3月の繁忙期に畳の仕事で手が足りなくなり、内装の職人に襖を襖紙でなく壁紙で施工するよう指示した。当然、クロスの機械を使用し、全面に糊を塗布。その結果、ふすまが反ってしまい、大家からかなりのクレームを受けたことを覚えている。 そのため、襖の施工を行う際には、この段ボールや発砲スチロールの存在を確認することが非常に大切だと感じる。依頼された襖がこれらの材料でできている場合、最初に断るべきだ。次に、お客様にその旨を伝えるべきだ。そして、表裏を両方施工するのが良い。この3つのポイントを頭に入れておくことが大事だと強く思う。 【知らなきゃヤバい襖】段ボール製と発泡スチロール系 https://youtu.be/fgLexvylnA0 段ボールや発砲スチロール製の襖は外見だけで見ると、一般的な襖と大差なく思えるかもしれない。しかし、これらの材料の特性を知らないまま施工に取りかかると、想定外の問題が出てくる。特に発砲スチロールは熱に弱く、それを考慮せずに作業すると問題が起こりやすい。 これから襖の施工や交換を検討している人々、そしてその消費者たちに言いたい。段ボールや発砲スチロール製の襖は確かに軽く、取り扱いが楽な面がある。だが、それと同時に、特別な取り扱いや配慮が求められる部分もあることを知っておくべきだ。 例えば、発砲スチロール製の襖は湿度の変化に非常に敏感で、冬の暖房や夏の冷房の影響で変形しやすい。そのため、設置場所や使用方法をよく考えないと、後で困ったことになるかもしれない。また、段ボール製の襖は水分を吸収しやすく、それにより変形や劣化が進む可能性がある。 これまでの経験から学んだことは、どんな材質の襖であれ、その特性をしっかりと把握し、適切な施工方法を選択することの重要性だ。最後に、お客様や業者としっかりとコミュニケーションをとり、一緒に最適な選択を目指す姿勢が必要だと感じる。 このブログが襖の選択や施工に関する参考となれば、それに越したことはない。 【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊 ・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている前田畳店の二代目店主 ・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張...

youtubeでは話せない『【創造力を開放】襖の細工/半端の紙で新たな魅力を!』

イメージ
 50にして手にした道具が織りなす和の美は日々の生活に安らぎと慰めをもたらす。ただ日本の伝統芸術である襖細工は以前は単なる仕事の一部であったが最近になって職人の技が息づく文化的な価値を持つと思うようになった。 襖張り替えにはの中には未使用の半端な紙が残ることが多い。これらの紙はひとたび使用されないまま廃棄されることが多いが、そこに新たな魅力を見つけ出すことができる。 半端な紙が無駄にならないようにとそれを小さな作品に再生させるようになった。紙の断片から形を創り出すことで、その一片一片が持つ独特の風合いや質感を最大限に活かす。そうして出来上がる作品はどれもが独特の個性を持ち一枚の襖として完成するとその美しさは語り尽く自己満足していた。 一方で新たな魅力を見つけることは容易なことではない。しかしその努力が創造力を刺激し未知の可能性を開放する。それがこの新たな襖細工そして職人の仕事に新たな価値をもたらしてくれるような気がする。伝統的な技術を継承しながらも常に新たな挑戦を求め心を満たす。 YouTubeなどのインターネットの普及で僕たちの技術や美意識は広く共有され多くの人々に知られるようになった。しかし映像だけでは伝えられない『五感で感じることのできる、襖の深みや温もり』それらは日本の美学そのものである。 僕の挑戦はまだ始まったばかりだと思う。襖の魅力は単なる装飾品や日用品を超え人々の生活に深く根ざした文化として受け入れられていく事だろう。そのために僕ら職人は日々新たな魅力を探し続け創造力を開放し続けなくてはいけない。 『伝統と革新』その間で揺れ動きながらも新たな価値を追求し続けよう。そのプロセスこそが技術と美意識を育む源であり、その結果生まれる作品こそが日本の美を世界に伝えるものだと確信しているという事で今回の話は終わりにしよう。 ★楽天アフィリエイト ゲジゲジ ムカデ 虫対策 虫除け 害虫 ガード 侵入防止 虫 対策 密閉さん サッシのすきま風対策 専用品 L=890mm 2セット 窓サッシ 上 埋める ストッパー 防寒 防寒対策 隙間風対策 隙間風 すきま風 防止 窓 パッキン サッシ 気密材 サッシ用 すき間 隙間 【創造力を開放】襖の細工/半端の紙で新たな魅力を! https://youtu.be/YAVSb1DUSHM 【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊...

youtubeでは話せない『もうひとつの糊付けとは?本襖張り替えの成功法を初心者向けに徹底解説』の話

イメージ
 襖の張り替えをするとなった時にいきなり襖を張り替える人はあまりいないと思う。 とりあえず障子を貼って紙や糊の状態に慣れて、次は戸襖の下地作り、紙を剥がして、茶チリを貼る、その工程を数週間なり数カ月やってからいよいよ襖張り替えとなる、、というかこの過程をおすすめしているわけではないがまあそれも当たらずとも遠からず。 寿司か天ぷらかの職人で見ているだけで8年とかそういうのはさすが無理があると思う。僕はなるべく早い方法をおすすめする。ゆえに失敗しても最初から貼ってみるというのも手だとは思っている。僕の動画を見ればだいたいの事は出来ると思うのでぜひ最初から見てほしい、できればチャンネル登録をしてから。 あわせて読みたい僕のブロガーブログの記事 youtubeでは話せない【知らなきゃヤバい襖】段ボール製と発泡スチロール系の話 https://tatami777.blogspot.com/2023/08/youtube_9.html さて戸襖で慣れたら今度は本襖とこの順が良いと思う。そこで職人によっては今回の動画のように襖自体に糊を付ける方もいる。 それはそれで職人さんのやり方なのでケチをつけるつもりはない。畳でもそうなのだが経験や知識がなくいろいろな職人のスタイルを見ていない人ほどケチをつけたがる。僕も動画のコメントでは「早いですね」なんてもてはやされ良い気にはなっているがもっとすごい方は全然いるしおそらく僕しか見ていない人が見たらびっくりすると思う。 日本は広いのだ。すごい職人はたくさんいる! 僕の動画にアンチコメを送ってくる輩は別に構わないがおそらくそういう凄い人を知らないのだと思う。 さて、それでは本襖の張り替えの成功法を語る前に、一つ理解しておいてほしい事がある。それは、この仕事が「一日で覚えられるような簡単なものではない」という事だ。そう、ここに至るまでの過程はすべて、襖張り替えのための基礎体力を鍛えるためのものなのだ。そしてそれらを経験することで、初めて本襖の張り替えの完成度が高まるというわけだ。 もちろん、すぐにでもやってみたいという熱意があるなら、それはそれで素晴らしい事だ。ただし、それが適当な結果を出すことはないという事を覚えておいてほしい。職人の技は何度も繰り返し行う事で磨かれ、成熟するものなのだから。 そして、誤解してほしくないのが、僕が言って...

youtubeでは話せない『プロが教える!帯がらの襖紙貼り替え時のシワ取り対策』の話

イメージ
 もう僕が襖を貼り始めた頃なので30年も前の話だが。新鳥の子と言えば【角兵衛】が主だった。帯がらも非常に貼りやすく、公営住宅などは赤の帯指定だったのでだいぶ貼ったと記憶している。 帯なんてへっちゃらと思っていたが頭をぶっ叩かれる事件が・・。 ある時、いつも使っているカタログではない糸入りの帯の発注をうけたのだがその帯が非常に癖が強くシワが戻らなかった。だいぶ失敗して返り討ちにあった頃に帯で方に先に水糊をつけて帯を最後の最後で水糊を付けるという事を発見した。通常とは逆パターンだったのだ。だいぶ勉強代としてとられたがそれはそれで良い体験をしたと思っている。 さて、その経験を得てからは、帯の特性について深く考えるようになった。常識を覆す経験は、ある意味で僕の職人生活に新たな風を吹き込んだのだ。 その後も様々な帯に出会った。一部には、僕の発見した手法でさえも通用しない厄介な帯もあった。だが、その一つ一つが新たな発見、新たな教訓をもたらしてくれた。帯と向き合い、試行錯誤する中で、その素材の魅力や、細部に至るまでの手間暇を感じることができた。それが僕の腕を磨いてくれたと言っても過言ではない。 さて、帯を扱う際に重要なのは「感覚」だ。水糊の付け方、紙の扱い方、すべてがその時々の感覚で変わってくる。マニュアルにはない、職人ならではの「感覚」が求められるのだ。それは帯の特性を見極める目、それを扱う手技、そして何よりも時間と共に磨かれる「経験」である。これがあるからこそ、最良の結果を出すことができる。 しかし、いくら経験を積んでも完璧になることはない。それが僕たち職人の世界だ。終わりなき挑戦と、それを乗り越える喜びが僕たちを駆り立てるのだ。そう、帯がらの襖紙貼り替えも同じだ。完璧な襖を目指して、僕は日々努力を続けている。 この経験を元に僕が教えることができることは、帯と向き合うことの大切さだ。そして、経験を通じて得た「感覚」を大切にすること。これが帯がらの襖紙貼り替え時のシワ取り対策に繋がるのだというところで今日の話は終わろう。 ーーーーーーーーーーーーーーー あわせて読みたい当ブログの記事 【襖の貼り方】水糊のオープンタイムはどのくらい? https://tatami777.blogspot.com/2023/03/blog-post_18.html 襖張り替え時の紙の切り方...